Column 家づくりコラム

冬も暖かい家にするための設計と暮らしの工夫

これから本格的な冬を迎えるにあたり、「家の中が寒い」「暖房をつけても足元が冷える」といった悩みを感じる方は少なくありません。

実は、冬の暖かさは暖房機器の性能だけで決まるものではなく、家そのもののつくり方と日々の暮らし方が大きく関係しています。

 

今回は、

・設計段階でできる「家づくりの工夫」

・住み始めてから実践できる「暮らしの工夫」

 

この2つの視点から、「冬も暖かい家」の考え方をご紹介します。

 

設計段階で差がつく「冬に強い家づくり」

1.適切な軒の出で、日射を味方につける

冬の暖かさを考える上で重要なのが太陽の熱(パッシブデザイン)です。

南側に適切な軒の出を設けることで、

  • 冬:低い角度の太陽光を室内に取り込み、自然な暖かさを得る
  • 夏:高い角度の強い日差しを遮り、室温上昇を防ぐ

 

という、季節に応じた快適さが生まれます。

「軒はデザインのためだけのもの」ではなく、室内環境を左右する重要な要素なのです。

 

2.各方位ごとの窓配置を考える

窓は光と風を取り込む一方で、熱が逃げやすい場所でもあります。

そのため、方位ごとの特性を理解した配置が大切です。

  • 南側:冬の日射をしっかり取り込むため、大きめの窓
  • 東側:朝日で室温を上げ、気持ちよく一日をスタート
  • 西側:冬は有効だが、夏の西日対策を考慮
  • 北側:最小限の窓で、断熱性を重視

「明るいから」「景色がいいから」だけでなく、熱の出入りまで考えた窓計画が、

冬の快適さを左右します。

 

3.空気の流れを考えた間取りプラン

暖房をつけても暖かさにムラが出る原因の多くは、空気の流れが整理されていない間取りにあります。

  • リビング階段で暖気が逃げてしまう
  • 個室に暖かい空気が届かない
  • 吹き抜けの上下温度差が大きい

 

こうした問題は、設計段階で

  • 吹き抜けの位置と大きさ
  • 階段や廊下の配置
  • 室内ドアや建具の計画

・ シーリングファンなど、適切な設備の設置

 

を整理することで、改善できます。

暖房設備に頼る前に、空気が自然に巡る家かどうか」を考えることが重要です。

 

住んだ後にできる「冬を快適にする暮らしの工夫」

1.カーテン・ブラインドの使い方を見直す

冬の夜、窓からは想像以上に熱が逃げています。

断熱性の高いカーテンやハニカムブラインドを使い、

  • 夜:しっかり閉めて冷気を遮断
  • 昼:日が出たら開けて日射を取り込む

このメリハリだけでも、体感温度は大きく変わります。

 

2.家具配置で空気の流れを妨げない

大きな家具をエアコンや床暖房の吹き出し口付近に置いてしまうと、暖気が部屋全体に広がりません。

暖かい空気の通り道を意識した家具配置を心がけることで、同じ暖房設定でも快適さが向上します。

 

3.暖房は「局所」より「家全体」を意識する

一部屋だけを強く暖めるよりも、

  • ドアを閉めすぎない
  • 温度設定を極端に上げない

など、家全体を緩やかに暖める意識を持つことで、温度差が少なく、体にもやさしい冬の暮らしになります。

 

冬も暖かい家は、

  • 高性能な断熱材や設備だけ
  • 住み方の工夫だけ

どちらか一方では完成しません。

設計段階での工夫 × 住んでからの工夫が合わさることで、初めて本当の快適さが生まれます。

 

これから家づくりを考える方はもちろん、

「すでに住んでいるけれど、もっと快適にしたい」という方にとっても、ヒントになれば幸いです。

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